白菊は和の情緒が息づく宿。その中で岩坂パティシエは、和素材の新たな活用に強い興味を寄せています。豆乳や和の果実、旬の食材を丁寧に取り入れ、体にやさしく、どこか懐かしさを感じるスイーツを追求。甘さを極端に抑えすぎず、でも「重くない」絶妙な甘さ加減で、デザートとしての魅力と身体への配慮を両立させています。
「娘にも食べさせたい」と思えるほど安心できる素材選びは、奇をてらわず、しかし飽きさせない進化を続ける白菊スイーツの原点。その結果として生まれる「白菊プリン」や、通年で楽しめるやさしい風味のモンブランは、幅広い世代から支持されています。

朝食ビュッフェは、ゲストが旅の終わりに口にする最後の思い出のひとつ。だからこそ「どの角度から見ても、おいしそうでわくわくする盛り付け」を心がけ、常に十分な量と質を整えています。週末には平日の倍近い人数が訪れ、ビュッフェ台は瞬く間に華やぐ中、岩坂パティシエは「最後に訪れたお客様にも満足してもらいたい」という思いで、一皿一皿に心を注ぎます。

既製品や装飾に安易に頼ることなく、フルーツ本来の魅力や職人技を活かした仕上げを選ぶことで、白菊スイーツは「ここだけ」の特別感を創り出します。お客様の笑顔を思い浮かべながら、常に「美味しくなあれ」という願いを込めて生まれるスイーツは、一口ごとに心を和ませ、旅の記憶をより深いものへと昇華させます。

パティシエとしての哲学は「穏やかな職場づくり」から始まります。チームがイライラせず、和やかな空気の中で作業することで、スイーツそのものにも優しさが宿ると岩坂パティシエは信じています。その想いは、お客様がデザートを前にしたときの「ふわっとした笑顔」として返ってきます。
また、季節感を大切にしたメニュー開発や、時代や嗜好に合わせてレシピを進化させ続ける柔軟な姿勢は、「より美味しく、より心に残るスイーツを」という信念に裏打ちされています。

「わあっ！」と目を輝かせるお客様の表情や、アンケート・手紙で寄せられる嬉しい声が、岩坂パティシエの何よりの原動力です。実際に対面できない場合でも、スタッフ同士の連携によって届けられるサプライズプレートや季節感あふれる一皿は、ゲストの心に小さな温もりと笑顔を刻み込みます。
白菊が紡ぐスイーツは、特別なテクニックや華美な装飾に頼らずとも、和のホテルならではの温かなもてなしと、丁寧な素材選びでお客様の心を満たします。岩坂パティシエが目指すのは、穏やかでやさしく、そしてわくわくする体験。白菊での朝食のひとときが、生涯忘れられない甘い思い出となるよう、これからも彼女は新たなアイデアと素材、そして笑顔を求め続けます。